犬のしつけ「マテ」

ビジョナリーアーツ専門学校 実習風景


今日は渋谷のビジョナリーアーツ専門学校にて講師出向!写真はトレーニング実習の様子です。

 

近日、ペット学科挙げての犬と一緒の運動会があるとのことで、いつのも実習とはちょっと雰囲気が違う練習です。

 

運動会の項目の中で、誘惑刺激に負けないように待っていられるか試される競技があります。日ごろからハンドラーの合図でマテの解除がかかるまで動かないで姿勢を維持し続けることを教えておかないと色々な誘惑には勝てません。

 

マテの精度を上げるために、犬がつい動いてしまうようなシチュエーションを作って、徐々に難しい課題を与えていきます。写真は、立ったまま待たせて犬の周りをハンドラー以外の人が1周しても動かない練習。

 

普段のマテのトレーニングでは、ハンドラーが近くに居たり、声の届く範囲や手のサインが見えるところで練習しているので、ハンドラーが離れると不安になって動いてしまったり、勝手に態勢をかえて伏せて休んでしまったりと色々な行動を見せます。

 

学生にもいつも伝えていますが、犬に座れマテを教えたからと言って、伏せマテが出来るようになる、立ったまま待てるようになるとは限りません。特にマテを教えたばかりの頃は、座れマテはできるけど他の態勢ではできないことも多くみられます。

 

犬が思うコマンドの捉え方と人が思うコマンドの捉え方は若干違います。犬からしたら座れマテは教えてもらったけど、伏せマテは教えてもらっていないよ という感じでしょうか。人からすればマテを教えたからいつでもマテはできるなと勘違いしていると、実は適切に犬にマテの意味が伝わっていなかったりためにいつもとちょっと状況を変化させると動いてしまったりします。

 

よくオヤツを目の前にしてマテを教えている状況を見ますが、実は、犬からしたらオヤツが目の前にあるときは飼い主さんがいいよって言うまで動かない ということがマテと勘違いしていることがあります。

なので、実際に犬が道路に飛び出して慌ててマテと言ってもオヤツが目の前にあるわけではないので、犬はマテなかったりするわけです。

 

もちろん個体差もあって、マテという言葉が体を動かさないと覚える犬も居ますが、効率よくマテを教えるためには、待てという言葉はどのような態勢、どのような時にでも動かないことがマテと教える必要があります。座れマテ、伏せマテ、立ってマテをそれぞれ教えたら、人が犬から遠く離れてみたり、部屋から出てみたり、人が寝転がってみたり、その場でジャンプしてみても良いと思います。色々な状況でのマテを教えていくことで、犬たちはマテという言葉はどうやら動いてはいけない合図らしいということを覚えていきます。

 

運動会は河川敷の会場で開催するようですが、いつものトレーニング場所とも違う、外の環境なので誘惑される刺激が沢山あります。犬の意識をしっかり自分に向けてコントロールして運動会を楽しみましょう!