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吠える犬の対応方法!?

犬が吠えたときどうする?


今日はビジョナリーアーツ専門学校の講師出向です!

 

丁度、実習中に吠える犬の動画が取れたので、今回は吠える行動に関して学生とディスカッション。

 

吠える犬に関して皆様どのように対応していますか? 吠えてもそのままですか? 「吠えないよ~」などワンちゃんに声をかけますか?

 

吠えているワンちゃんにどれだけ声をかけてもこちらを向いてくれないなど困ったことはないですか?


吠える原因はワンちゃんによって様々。ワンちゃんの吠えを止めるためには、どのような心理状態で吠えているかを理解する必要があります。遊びたいのか、怖いのか、威嚇しているのか色々な状況が考えられます。

 

例えば、他の犬に吠えたときに犬のマズルをつかんで「ダメ!」とか教えている様子を見ることもありますが、もちろん、吠えることをダメなことだと教える必要もありますが、その犬が他の犬に対して怖くてこちらに近づいてほしくなくて吠えている場合もあります。そのような心理状態のときに無理やりマズルをつかんで怖い声でダメ!と言われたらどうでしょうか。

 

皆さんもお化け屋敷で向こうの方から何かが近付いて来たらどうしますか?こっち来ないでー!無理無理!

など声を上げることもあると思いますが、そんな時に後ろから口をふさがれて「うるさい」とかやられたらどうしてよいかわからなくなりませんか?

 

怖くて吠えているときにさらに怖い思いをさせることで吠えを止めさせることは果たして出来るのでしょうか?最終的に吠えることを止めさせたいのであれば、吠えている対象に対してどのような心理で吠えているか知る必要があると思います。

 

さっきのお化け屋敷ではないですが、悲鳴を上げている人に対して、ちょっと1回落ち着いてみようか、よく見ると布がヒラヒラしているだけだよ、よく見てみるといいよ。あれ?ほんとだ布だね(^_^;) みたいなことってあると思います。まずは興奮レベルを少しでも下げることで落ち着いて現状を把握できれば大したことが無いと判断出来たりするものです。

 

これらのことは犬に対しても同じようなことがあてはめられると思います。まずは一度落ち着かせてみることで状況を変えられる可能性があります。無理やり吠えることを抑えることだけでなく、違う側面から物事を確認させてあげる方法を取ってみるだけで、吠えなくても大丈夫であることを効率よく伝えることが出来ると思います。

 

犬の心理は犬たちが発している行動から読み解くことが可能です。正しい犬の行動特性を知っておくことで、興奮状態の犬を落ち着かせることができれば、吠えなくても大丈夫だということを伝える方法は色々な側面からアプローチができるということを知ってほしいと思います。興奮しすぎていると吠えを止めることを教えようとしても、なかなか効率よく伝えることが出来ません。ある程度の心の余裕を持たせてあげることが、実は吠え止めさせる近道だったりします。まずは、吠えてしまう刺激が近くにあっても少しは落ち着けられる環境を設定することがポイントです。

 

上の動画は一つの例ですが、左側の犬の顔や目線が向くとポメラニアンのコロンは興奮して吠えたてています。ただ怖いだけで吠えている状態ではないと思いますが、他の犬の目線などを感じると不安になったり、時には攻撃的になってしまうようで、それを繰り返しているうちに他の犬に向かって吠えることが習慣化してしまったのだと思います。

 

そこで、左側の犬の目線や顔を背けてあげるように抱っこする向きを変えるように指示しました。そうするとコロンは吠えるレベルが下がります。吠えるレベルを下げられる環境を作れるのであれば、後は吠えない代わりに何をすればよいのか教えてあげるだけで、行動はどんどん変化していきます。

 

吠えを止めさせる一番簡単な方法は、犬に声をかけてこちらに気を向かせることです。声掛け、名前を呼んでこちらに気を向けることが出来るのであれば、オヤツを与えて気を逸らせればそれでまずはOK。後は、吠えない代わりにどうすればよいのか犬に教えてあげればよいと思います。吠えるよりハンドラーの方を向いた方がオヤツくれるしラッキーぐらいの気持ちに切り替えられるようになると、怖くて吠える行動を選ばない犬に成長してくれると思います。

 

ただし、このような行動修正は犬としっかりとコミュニケーションが取れている関係性であることが条件となります。普段のトレーニングや遊びを通して、魅力あるハンドラーであると犬から認識されていることが重要! 基礎トレーニングの座れとか伏せとか覚えているからつまらないとか感じることもあると思いますが、基礎トレーニングでお互いの意識を伝えられないペアは応用が利きません。基本トレーニングの重要性の理解と魅力ある遊びを提供することをいつも頭の片隅において犬たちと接っしてもらいたいです。

 

文:スタディ・ドッグ・スクール🄬 宇都宮校 岡本雄太(学術博士)